STORY 恵南地方にまつわる50の物語

明智町 下ヶ淵の紅葉

思わず! 独り占めをしたくなる自然美

明智川沿いの絶景・下ヶ淵のカエデ並木の紅葉

心地良い川のせせらぎを聞きながら、紅に色づいた木々を眺めていると、少しずつ心が洗われていくのを感じる。
この景色の素晴らしさを、多くの人と分かち合いたいと思いながら、ひとりじめしたくなるから不思議だ。
水(静)と紅色(動)のコントラストが、私たちをそんな気持ちにさせるのかもしれない。

絶景の紅葉スポット

明智町を流れる明智川は、矢作川支流の一級河川である。恵那山から猿投山断層帯の山、大峰山および愛宕山を源流として西へ流れ、野志川と合流。明智町市街地を明知鉄道に沿って南へ流れ、吉田川などと合流する。

そんな明智川沿いに、知る人ぞ知る、絶景の紅葉スポットがある。「下ヶ淵(しもがふち)のカエデ」と呼ばれ、見頃の時期には、ドライブがてら観賞する人達でにぎわうそうだ。
この紅葉の素晴らしさは、川沿い一面が真っ赤に染まる、燃え立つような色合いだ。白い岩肌を流れる水音、美しい色合いのカエデの並木、バックには緑の木々が縁どり、素晴らしいハーモニーを奏でている。

ここの「カエデ」の並木は、昭和9年に国鉄明知線が開通した記念に植樹されたもので、現在では約70本が群生しており、恵那市景観重要樹木に指定されている。今では大きく成長して、見事な紅葉を披露してくれる。
見頃の時期は、その年により変わるが、大体11月初旬から中旬が見頃だ。その頃になると、17時から21時までライトアップされ、昼間とはひと味違う、幻想的な紅葉の景色を見ることができる。県道11号線沿いにあり、目印の看板も設置せれており、紅葉シーズンになると駐車場も用意されるので安心だ。

景観重要樹木とは?

恵那市では、平成24年に「市景観計画」を策定し、景観を生かしたまちづくりを進めている。景観重要樹木とは、良好な景観形成に重要な樹木で、恵那市景観計画で定める方針に適合するもののことを指す。指定された樹木を、市民共通の財産として維持保存し、町の魅力づくりに繋げていくことが目的だ。

1.地域の自然や歴史、文化などから見て、樹木の外観が景観上の特徴を有し、地域の特性を表現している、もしくは景観形成に良好な影響を与えているもの
2. 市民に親しまれ、地域のシンボル的な存在となっているもの
3. 街角に位置するなど、地域の景観形成に取り組む上で重要な位置にあるもの
4. 品格や風格が備わり、優れた樹姿(樹高や樹形)のもの
5. 社寺林や地域の骨格となる樹林などを構成する主たる樹木

以上のような条件を満たしているものが、指定を受ける。
景観重要指定樹木の第1号に指定されたのは、恵那市大井町の「甚平坂のハナノキ」で、明智町の「下ヶ淵のカエデ」は第2号に指定された。
樹齢は約80年。地域のシンボル的な存在のカエデは、十分に条件を満たしている景観重要樹木だ。

なぜ?下ヶ淵の紅葉はきれいなのか

カエデは、ムクロジ科(旧カエデ科)カエデ属の木の総称である。一般的にモミジとも呼ばれるが、その場合は様々な樹木の紅葉を総称している場合もあるそうだ。
日本のカエデとして代表されるのは、イロハモミジで、山野に自生している他、複数の栽培品種があり、葉が緑色から赤に紅葉するものから、最初から紫色に近い葉をもったものもある。
明智川沿いの下ヶ淵の紅葉は、なぜ、こんなに美しい色合いなのだろうか?
紅葉の良さには、実は三つの条件がポイントになるそうだ。
一つ目は、昼と夜の寒暖差。夜の気温が高いと、昼に作った糖分を使って活動してしまうため、鮮やかな色味にならない。
二つ目は、適度な雨や水分。乾燥しすぎると、葉が紅葉する前に枯れてしまうのだ。雨が少なくても、川沿いの樹木には十分水分が補給される。
三つ目は、日中の天気が良いこと。赤い色素となる糖分は光合成によって作られるため、日光が大切なのだ。
これらの三つの条件に、下ヶ淵のカエデはぴったりと当てはまる。昼夜の寒暖差がある明智の気候、明智川の水分による湿度、日当たりの良さなど環境に恵まれている。
更に地元の人によれば、紅葉も美しいが、5月の新緑のカエデ並木も素晴らしいとのこと。
このように、明智町だからこその、恵まれた環境に存在する下ヶ淵のカエデは、町の魅力づくりにとても貢献している。

INFORMATION

名称
下ヶ淵
場所
岐阜県恵那市 明智町川平

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