不思議な樹形をしている
まず、遠くから見てもひときわ大きく存在感がある。近づくと、私たちがイメージしている杉の特徴が全く無く、不思議な形に驚かされる。
私たちが見慣れている杉の形状といえば、主幹が真っ直ぐ上に伸び、ほぼ水平に近い上方に枝を張る。しかし、この団子杉は大らかに枝を放射状に広げ、形の良い円形になっているのだ。葉っぱを意識しなければ、その姿はケヤキかクスノキなどの広葉樹と間違えてしまいそうだ。
団子杉の幹の周囲は5.5m、樹高は18.2m。根張り東西、南北とも21mで、地上3mの辺りから38本もの横枝が四方に張り出し、樹形は団子のように丸味を呈しているところからこの名が付けられた。今から約150年前にあたる嘉永4年(1851年)の記録に、既に団子杉と記されていることから、年季が入った団子杉なのである。
周囲は柵で囲われ、十分な空気が与えられており、すぐ近くには、明知城の水源とされた沼もあり、老杉には申し分ない環境だ。
品種改良されない時代の、天然杉の唯一の残存と考えられ、県指定天然記念物に指定されている。
樹齢は、なんと!約1000年と伝えられ、更に成長し続けているそうだ。