迫力のけんか神輿
境内はきれいに手入れされ、神社の裏から見える田園風景が美しい。
熊野神社では、毎年4月の第3土曜日と日曜日に、昔から伝わるお祭り「春の祭礼」が行われている。どのくらい前から行われているのか、なぜ始まったのかその由来は定かではないが、今も下区、小田子区の地元の人達が伝統を受け継いでいる。
熊野神社の大祭といえば、迫力満点の「けんか神輿」が有名だ。大祭では、土曜日の前夜祭がことさら盛り上がるそうだ。昼間は神輿や山車を曳きながら、太鼓の音とともに各地区を練り歩き、夜8時頃になると熊野神社の下に地区ごとの神輿が集結する。
そして始まるのが、「けんか神輿」。神輿どうしがもみ合い、ぶつかり合う様子に圧倒される。昔はもっと激しかったそうだが、時代の変化と共に、少しずつその激しさも和らいでいった。
もみ合いが終わると、階段を上がり宮入りだ。どちらの区の神輿が先に宮入りするのかは、毎年交代で決められている。宮入りの後は、仲良く一緒に太鼓を叩く姿が面白い。
けんか神輿の由来は不明だが、一年に一度、情熱を思いっきりぶつけてすっきりする。娯楽の少ない昔の村人にとって大切な行事だったのかもしれない。