STORY 恵南地方にまつわる50の物語

上矢作町 風力発電

エネルギー革命!風の森の発電所

標高1000メートルに林立する13基の風車

そこに佇むと、山々の景色、鳥や虫の声・・・そして風車の風をきる音がこだまする。
大自然と人が創造したものが見事に調和して、訪れる人々に不思議な感動を与える。

岐阜県初の風力発電所

上矢作の町から、暗井沢林道を登り、大船神社を超えてしばらく進むと、目の前に突然巨大な風車が現れる。
この風力発電施設は、岐阜県初の風力発電所として、平成19年6月1日に運用を開始した。標高1000メートルの高台にある大船牧場と、その周辺に建設され、13基の風車が稼働している。ドイツエネルコン社製で600KWが6基、800KWが7基の合計13基で、合計出力9200KWになる。日立エンジニアリング・アンド・サービスと住民組織が出資した中日本風力発電が運営している。
羽根の回転半径は、44メートルと48メートルの2種類で、支柱の高さは65メートルもあり、下から見上げるとすごい迫力だ。マウスオンで、少しだけ羽根が動く。

クリーンなエネルギーで注目されている

現在、地球温暖化問題は、国際的に重要な課題となっている。地球温暖化は、温室ガスの増加が原因で起こり、主な成分は二酸化炭素である。太陽の光により温められた地面が放出する熱(赤外線)を温室ガスが吸収し、大気を温めている。このため、地球の平均気温は現在14℃前後に保たれているが、温室効果ガスの濃度が高まり熱の吸収が増えると、気温が上昇し地球が温暖化する。

地球温暖化は、地球環境や身近な生態系にも様々な悪影響を及ぼしている。日本でも近年起こっている異常気象、氷河の崩壊や海面の上昇、更に感染症の拡大など人の健康にも影響を及ぼすそうだ。
温暖化の原因の一つが、発電などのために化石燃料を燃やす時に発生する二酸化炭素。その解決方法として、風力、太陽光や太陽熱、水力、バイオマス、地熱などの再生可能エネルギーが注目されている。
風の力で風車を回す風力発電も、一度利用しても比較的短期間に再生が可能であり、資源が枯渇しない優れたエネルギーである。

風の森について

上矢作町の大船山(おおぶねさん)にある発電所は、山頂の風力発電施設として非常に景観に恵まれている。新しい観光スポットして、この地域の目印にしようと、「風の森」構想を立ち上げ、整備が進められ自然体験ができる区域として人気だ。

風車のイラストの案内看板に導かれ、山道をドライブ。大船神社を過ぎて、更に林道を登って行くと、羽の先の一部が赤く塗られた1号基が現れる。
風の森・大船山周辺の案内図がありわかりやすく、遊歩道、ベンチや展望台など豊富に整備されている。
2号基、3号基と進み、展望台を目指す。展望台からの眺めは素晴らしく、360度の大展望。恵那山、大川入山、茶臼山などが風車越しに楽しめる。風が心地よく時折強く吹き、風車のブレードの風切り音が響き渡る。
展望台からは、13基の風車が林立するのが見えて、山々の尾根との調和した様に感嘆の声があがる。

これからの私たちの未来を担うクリーンエネルギー。上矢作町の大自然の中、丘陵地で風を受けて回る風車。自然と調和した風力発電施設は、大切な資源であると共に、子ども達が自然との共生を学ぶ場としても期待されており、大船山の歴史的遺産とコラボした恵南地域の新たな観光スポットになっていくだろう。

INFORMATION

名称
風力発電所
場所
岐阜県恵那市 上矢作町字中新田(大船牧場)
お問合せ先
0573-47-2111(上矢作振興事務所振興課)

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