石仏の里
近年では、明知鉄道から途中下車して、石仏めぐりを楽しむ人も増えている。石仏の魅力といえば、風化し苔が付いた石や、それぞれの持ち味がある表情だ。
山岡町内の、各地区に点在している石仏をたどってみよう。
田沢にある「姥石(うばいし)の石仏群」は、東海自然歩道の指標に沿って進んでいくと、大きな石造物が見えてくる。かつては賑やかな街道筋であったが、今は里の片隅の静寂な場所となり、時代の流れを感じさせる。
石碑は、いずれも大人の背丈を越すものばかりで、圧倒的な存在感だ。「姥石の六地蔵重制石幢」は、安永2年(1744)に建立され、高さ230㎝である。
久保原には、古野川から福平辻までに十体造られた。「福平(ふくたいら)石仏群」があり規模は小さいが、念仏供養塔など存在感のある石仏が多い。周りの景色にすっかり溶け込んでいる。
馬場山田には、和田薬師堂の石仏群がある。そこに、地元の方がとても気に入っている石仏があるということで、案内して頂いた。その石仏には、とてもふっくらとした穏やかな表情の観音菩薩像が彫られている。まるで石板から飛び出して来そうな程立体的だ。
馬場山田には寺尾の三十三観音があり、ここは山岡の原の石仏群と共に規模の大きいところだ。下手向中島薬師堂にかくれキリシタンが観音様の奥にマリア様を入れたと伝わるかくし観音がある。