なぜ、ここに巨大水車が造られたのか?
道の駅の、ランドマークとなっている巨大水車の直径はなんと!24メートル。遠くからでもわかる圧倒的な存在感がある。間近で水車を見上げると、更にその迫力は増してその作りにおどろかされる。ゆっくりと回転する水車、豪快に落ちる水しぶきは必見で、絶好の撮影ポイントとして人気が高まっている。
木製水車は、平成16年の春に完成。木材は、カナダ杉(レッドシーダー)で、軽く水に強く、腐りにくいのが特徴だ。
なぜ、この場所に巨大な木製水車が造られたのか?そこには深い意味があった。
この地域は、蛙目という粘土質の高い良質な陶土の採掘が盛んな町としてしられており、陶石用の砕石を製造するのに、水車が利用されていた。その後、昭和から平成にかけて建設された小里川ダムによって水没した地域に、多くの水車があったそうだ。そのため、その地域の歴史を象徴する産業遺産のシンボルとして、木製水車が造られた。
2002年8月には、「小里川ダム湖底フェスティバル2002」が開催され、ステージで地元の伝統芸能やコンサート、山岡特産の寒天デザートなどが振るまわれた。沈む前に、思いでを語り合い次なる時代に想いを馳せたそうだ。
水車の手前には、水没地域から移設された石造りのアーチ橋“興運橋(ようんばし)”通称・めがね橋と、裏手には、同じく移設された発電機が展示されている。町指定文化財になっている興運橋は、本州ではとても珍しい三連式石造アーチ橋で、この橋の材料は地元産の花崗岩を使用している。1920年代の面影がしのばれ、歴史の重みを感じる。