山岡のグランド・キャニオン??
山岡陶業文化センターの裏では、今現在もこの豊富な粘土の採掘が活発に続けられておりトラックで大量の土が運ばれている。その山肌の景色は、アメリカ・アリゾナ州にあるグランド・キャニオンを彷彿とさせる。
そんな採掘場が別世界になる時があるのだ!眼下に広がる美しいエメラルドグリーンの湖が太陽の光に照らされてキラキラと輝いている。白い山肌とのコントラストが更に水の色を引き立てている。
なぜここに美しい湖があるのか?
その秘密は、ここで採取できる土の生成にある。主に採取できるのは蛙目粘土、木節粘土、珪砂という種類だが現在は蛙目粘土のみとなっている。
蛙目土は粘土層の中に大粒の石英粒を含んでいる。そのため雨などで粘土の表面が洗われると石英粒が表面に突起して光り、蛙の目のように見えることからこの名がついたそうだ。
この粘土は花崗岩が風化沈積したもので多量の珪砂と長石、雲母が含有している。太古の昔、海が近かったため塩分を多く含みその成分が雨水や流水と一緒になって流れ出て湖になった。
この湖の地下深くはアルカリ性。地表は酸性で、雨が降ると湖は白く濁り沈殿する。雨は弱酸性のため湖の酸性成分と反応する。この反応により生じた白い沈殿物がアルミナ分を含んでおり、ここに湖の美しいエメラルドグリーンの秘密が隠されている。
アルミナという成分は、宝石のサファイアと結晶がとてもよく似ているといわれ太陽の光などが当たると光が拡散して美しく輝く。
いつも見られる湖ではないだけに、目にする事ができた人は幸運だ。