飯高山 萬勝寺
飯高観音の本尊は慈覚大師の作といわれる千手観音菩薩で、17年に一度の御開帳が待たれている。前回の御開帳が2010年(平成22年)の4月であるから中々拝める機会が無い大変貴重な観音様だ。次回は2026年の御開帳となる。
それにしても、四季折々の表情を映し出す自然に囲まれ、手入れの行き届いたお庭を眺めながらの参拝は格別だ。お城を思わせる石積みの横道を進むと山門に迫力の仁王像がお出迎え。山門をくぐり右手に3体の観音像が見えてくる。小さな赤ちゃんを抱いている「慈母観世音」とボケ封じにご利益があるといわれている「白寿観音」の穏やかな表情が印象的だ。左手には茶室 園月(えんげつ)の優雅なたたずまいが復元されている。手水舎で清め観音堂へ進むと躍動感ある龍の彫刻に目を奪われる。そして本堂に進むと庭園がありゆっくりとまわる水車の音に身も心も洗い流された様な感覚になる。
木々が風に揺れ鳥のさえずりが耳に心地良く、山門から本堂に進む過程で段々と心が安らいでいく様はここでしか味わえないだろう。
そして参拝に訪れた人が体験できる「一文字写経」は、一文字ずつ書写したものが写経になるというもので、一切の魔障を消除し一切の福徳を招来するものだといわれている。