レアな夏祭り
第1回目が昭和23年に開催されており、50年以上の歴史と伝統を誇る、「元祖コスプレ祭り」だ。
戦後の食糧難の時代、娯楽にも飢えていた町内を活気づけようと、公民館主催で大変装行列が始められ大変な人気を博した。翌昭和24年から商工会主催となり、立派な伝統的イベントとして受け継がれている。
初期の頃は車も無く、全て徒歩で岩村駅から上町まで、本町通りの緩やかな坂道を上がって行列したといわれている。以後自動車の普及により、トラックの荷台に飾りつけをするスタイルが主流となり、現在も定着している。
町内ごとに流行を意識したものや、町の歴史を題材にしたものなど、工夫を凝らした変装行列を仕立てる。そして当日、国の重要伝統的建造物群保存地区である町並みを、ゆっくりと行脚して披露するのだ。
毎年この時とばかりに、勇んで女装する町内会(自治会)もあり名物となっている。アニメのキャラクター、忍者や岩村町出身の偉人、世相を反映した変装など、多種多様なコスプレに興奮。集まった多くの観客から拍手や歓声が沸きおこり、町並みは不思議な雰囲気に包まれる。
情緒あふれる町並みで開催される夏まつり。そして、観客をファンタジーの世界へ誘う大変装行列は、ここ、岩村でしか見ることができない大変貴重なまつりである。