STORY 恵南地方にまつわる50の物語

岩村町 岩村町秋祭行事

起源は約400年前。過去へ誘う雅な祭り

平安調の衣装を身にまとった300人の大行列が見事

岩村秋まつり「神輿渡御(みこしとぎょ)行列」は、平安調の歴史衣装を身にまとった総勢300人が行列を仕立て、城下町をゆっくりと練り歩く伝統行事。
その華やかで圧巻ともいえる行列の様は、岩村の歴史の奥深さを示す秋の風物詩だ。
行列は穏やかで格式高い雅楽の音色にあわせゆっくりと進み、「いにしえのとき」を想像させてくれる。

岩村秋まつりの概要

神輿渡御行列は、岐阜県重要無形民俗文化財に指定されている。
約400年前から受け継がれる伝統祭事で、八幡神社と武並神社両社のまつりだ。八幡神社の祭神は、岩村城創築者で源頼朝の重臣であった加藤景廉(かとうかげかど・武士の神)であり、武並神社は、景廉の子、景朝(かげとも・町民の氏神)。

神輿渡御行列は、景廉の子である景朝のご神体を神輿に乗せ、時代衣装を身にまとった総人員約300人が、長さ300mに及ぶ行列を整え、武並神社を出発。岩村本通り(国の重要伝統的建造物群保存地区)約1.7kmを練り歩き、父・景廉が祀られている八幡神社に運ぶ伝統の祭事だ。
神輿は景廉のもと、親子対面を果たして一夜を過ごし、翌日、行列によって武並神社に帰る。

衣装・道具共に江戸時代から伝承されており、目を惹くのが、美しい色合いの衣装。平安調の衣装、着衣、鳥帽子が着用され、また、御神馬に使用する飾馬具は、天保の頃のものが使用されている。

岩村秋まつりの起源

岩村秋まつりの始まりは、寛永8年(1631年)に藩主松平乗寿(まつだいらのりなが)が、武並神社を壮大な社殿に建て替えたおり、これを機会に盛大な祭礼を行ったものといわれている。
祭礼は、江戸時代は9月9・10日(旧暦)でしたが、新暦となって10月1・2日となり、昭和の中期より10月に第1土・日曜日両日に行うようになった。

神輿渡御行列の構成

神輿渡御行列には76役、約300人前後の地元の人達が参加する。それぞれの役割を理解しながら行列を見ると、一層奥深く、より鮮烈な印象としてご覧頂くことができるだろう。行列の役を少し紹介する。

●先進(せんだつ) 行列の案内役で、氏子の総代長が行う。
●行列奉行 行列全体の指揮を執る。
●塩水(えんとう)の役割は、大麻というハタキのような、祓い棒を振り塩湯(海水)という塩水をかけてけがれをはらう。
●花車、花馬、御神馬は岩邑小学校1年生が曳く。
●御宝剣、五行幣は同小学校6年生の男子が奉持する。
●打囃(うちはやし)は、江戸時代から入若連(いりわかれん)により伝統芸能として守られている。打囃は小太鼓2人、拍子木2人、摺金(すりがね)2人、笛4人、大太鼓2人、そして打囃奉行1人の13人で構成。

このように一部を紹介したが、役割はそれぞれ76役全てに意味がある。
行列の役割は、岩村コミュニティセンターの図書室にある「神輿渡御行列(平成18年度岩村町氏子総代発行)」に詳しくまとめられているので、興味があれば、一度見てみるといい。

INFORMATION

名称
岩村町秋祭行事
場所
岐阜県恵那市 岩村町本通り・武並神社・八幡神社
お問合せ先
0573-43-3231(恵那市観光協会岩村支部)

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