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STORY 恵南地方にまつわる50の物語

串原村 ヘボまつり

目撃!巨大な蜂の巣と山里の奇祭

全国から愛好家が集まるヘボまつり

この祭りの日を目標に、丹精こめて「ヘボの巣」を育て上げる。
自慢の「ヘボの巣」を持ち寄る愛好家の人々からは、並々ならぬヘボへの愛情が感じられる。
今や串原は、昆虫食の聖地となった。

ヘボって何?

串原では、毎年11月のはじめに知る人ぞ知る、珍しい祭が開催されている。その名も「ヘボまつり」。正式な名称は、「全国ヘボの巣コンテスト」で、愛好家が串原に集う一大イベントだ。

ヘボとは何か?地蜂で主に「クロスズメバチ、シダクロスズメバチ」の東濃地方での呼び名だ。俗名(地方名)にはいろいろな呼び名があり、ヘボ、スガレ、スガリ、地蜂、ハイバチ、ジスガリ、タカブなどがある。
中でも最もポピュラーなのがヘボだ。「ヘボ」という呼び方は、成虫(ハチ)にも幼虫にも使い、ハチノコという言い方もあるそうだが、この場合は一般的に幼虫を指す事が多い。

ヘボの特徴は、元々の温厚な性格に加え、限られた生息域と山林の中に棲んでいる事から威嚇性や攻撃性は強くなく、不用意に近づかなければほとんど刺されることはない、また、毒性もオオスズメバチや他のスズメバチに比べたら弱いといわれている。ただ、単に危害を加えようとすれば攻撃されてしまう可能性はあり得るため、不用意に捕まえる行為は避けるべきだ。
ヘボは、山里の貴重なタンパク源として、串原地域をはじめとした東海地方の山間地域で昔から食べられていた。今でも山里の珍味として親しまれている。

全国のヘボ愛好家が集結

「ヘボまつり」は、くしはら温泉ささゆりの湯に隣接するグラウンドゴルフ場で、ヘボの収穫期に毎年開催されている。2017年のまつりでは、恵那農業高等学校のHEBO(へぼ)倶楽部と、地元のへぼ愛好家らが協力して建設した「ヘボミュージアム」が、まつり開催に併せ披露された。多くの来場者が、ヘボの生態などが展示されたミュージアムを熱心に見学し、知られざるヘボの世界に驚きの声があがった。
 会場では、タレにヘボを練り込んだ「ヘボ五平餅」が販売され、ここでしか食べられない五平餅を求めて多くの人が列をなした。他にも「ヘボの炊き込みご飯」や「ヘボの甘露煮」など郷土料理が並び、珍しさと美味しさで賑わった。

メインの「全国ヘボの巣コンテスト」は、参加者が育てたヘボの巣の重さを競い合い、最高重量の出品者が優勝する。毎年100個以上の巣が集まるそうだ。面白いのが、出品された巣は、当日の申し込み順にて購入できることだ。更に、最高重量を会場の来場者が予想して、抽選会もあり来場者も共に楽しむことができる。会場の入り口には、過去3年間のハイスコアな方々の重量リストがあり、上位の重さは5~6kgで、大の大人がやっと抱えるくらい大きなものもある。
出品された巣の、解体と軽量は完全防備で行われ、ビニール袋に入れられた巣がテーブルに並べられる。
その間、蜂があちらこちらに飛んでいるため、来場者に対しての注意の文章が設置されている。特に蜂アレルギーがある人は、参加は避けた方が良いだろう。もし刺された場合は、救護班が待機しており、応急処置をしてくれるから安心だ。

食文化を引き継ぐ

串原では、ヘボの巣を探し当てたり、飼育する技法が受け継がれてきたが、近年は環境の変化に伴い個体数が減少傾向にあるそうだ。そのため「くしはらヘボ愛好会」を設立し、ヘボの保護や増殖活動、飼育技術の研究、ヘボ料理の開発などに力を注いでいる。

この串原「ヘボまつり」は、昔から続く串原のヘボ文化を、伝え残す目的で毎年開催されている。最近では、海外からの参加者も増えて注目度が高まっているようだ。以前、串原に住んで昆虫食を研究していた女性が、ヘボを食べるために「飼育する」習慣は、世界的に見ても超珍しいことだ!と語っていた。

日本の昔からの食文化を知り、楽しく伝える祭りは貴重な催しだ。「ヘボ文化を次世代につなぐ」取り組みは、地域の若者や愛好家たちによりこれからも引き継がれていくだろう。

INFORMATION

名称
へぼまつり
場所
岐阜県恵那市 串原3146-3
お問合せ先
0573-52-2510(くしはらへぼ愛好会)

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