STORY 恵南地方にまつわる50の物語

串原村 星見会

満点の星空に手が届きそう!

冬の星見会 その楽しみかた

忙しい日々の中で、最後に夜空を見上げたのは、いつだっただろうか。
頭上に広がる天の川、きらめく星々の美しさに、今日ここに来てよかった・・・と思う。
その感動を共に味わった仲間とのひと時も宝物。また、きっとここに帰ってくるだろう。

星の物語の世界へ

串原では12月に、くしはら温泉ささゆりの湯グラウンドゴルフ場周辺で、「星の観望会」が開催されている。「串原の星見会」と呼ばれ、星の物語の朗読や、天体望遠鏡を使った講師の先生による説明などが行われる。
午後7時から、串原コミュニティセンターでプロジェクターを30分程観賞した後、外に出て望遠鏡を見る行程だ。

日が落ちると、一気に気温が下がる串原。参加者は防寒具、カイロ、手袋、マスクなど防寒対策バッチリで参加する。近隣の子供たちや、天体ファンなどが集い、冬の寒さも吹き飛ばす熱気だ。
星の物語の語りは、参加者をゆっくりと星の世界へいざない、小さな子供たちも静かに聞き入っている。そして、普段なかなか触れる機会がない天体望遠鏡に、大人も興味津々だ。
そんな前準備が整ったところで、外の星空へ・・・
地元の人達は、見慣れている星空がこんなにも美しいことに驚き、あらためて串原の素晴らしさに気づくようだ。都会から来た人は、天の川がはっきりと見えることに感動して、スマホで星の写真を夢中になって撮っていく。
中にはレジャーシートを敷いて、寝転んで星空を見る人もいる。これもアウトドアの醍醐味だ。観望を終えた参加者は、寒さを忘れ大人も子供も皆満足気な表情で帰っていく。
時には、日常から離れ宇宙に思いをはせるのもいいだろう。

串原の夜空

天体観測に向いている場所とは、どんな場所なのだろうか?
まず、空が大きく開けていること。周りに高い建物などがないことで、広い範囲の星空を見ることができる。そしてもうひとつは、灯りのない場所。星の淡い光を見るには、周囲に外灯やネオンサインなどの光源のない、できるだけ暗い場所がおすすめだ。
串原の星見会が開催される場所は、標高464mの丘陵で、空が広く見渡せる。そして、ネオンなどの灯りがほとんど無く辺りは暗いため、観測には最適の場所だ。

冬の星は美しい、冬は天体観測に向いているといわれるが、なぜそうなのだろうか?
冬は大気中の水分が少なく、空気が乾燥している。大気中の水分が少ないということは、星からの光を遮るものが減るということである。そのため夜空の透明度が上がり、すっきりとした綺麗な星空を見ることができる。
更に冬になると、太陽が出ている時間は短くなり、夜が長くなる。そのため、早い時間から暗くなり、長く星空を観測できるのだ。
そしてもうひとつのポイント!月の満ち欠けをチェックすることも重要である。満月の日とその前後は空が明るいため、星を見るのには適していない。夜空が暗い、新月前後が良いだろう。

このように、星を見るのにも様々な条件があり、串原の星見会ではより美しい星空が見られるように工夫を凝らしている。

星見会の後のお楽しみ

冬の大三角、夏の大三角はとても有名だが、星見会で冬の星座を見つけるための目印「冬の大三角」を探してみよう。南北にわたり、頭上に天の川があるのがわかる。その天の川をまたぐように、星が三角形を形作っている。
おおいぬ座α星シリウス、こいぬ座α星プロキオン、オリオン座α星ペテルギウスの3つの1等星を頂点とする三角形だ。形は正三角形に近い。
見つけ方は、オリオン座のペテルギウスは1等星で赤い星だ。よく目立つため、そのオリオン座を見つければ大三角も見つけることができるだろう。

星見会の会場のすぐ近くには、オートキャンプ場がある。近年冬のキャンプがブームで、美しい星空を見ながら、大自然を体感できるのが冬キャンプの醍醐味だ。
星を見た後は、隣接する「くしはら温泉ささゆりの湯」で、身体の芯まで温まることができる。至れり尽くせりの施設が揃っているのも魅力だ。

「串原の星見会」が、これからも続くように、澄んだ空気、美しい大自然、見渡すかぎりの星空を、大切に守っていきたい。

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