STORY 恵南地方にまつわる50の物語

串原村 串原の七つの滝

秘境の隠れ名所・七つの滝物語

森林浴をしながらハイキング滝めぐり

今、密かな人気になっている滝めぐりの旅。奥深い山の中の七つの滝は、人知れず水をたたえ流れている。そんな奥ゆかしさにじんわりと癒され、美しき日本に生まれたことを誇りに思う。

豊かな水に恵まれた串原

串原は、自然あふれる地域で、南部には愛知県との県境に矢作川が流れており、マイナスイオンあふれる渓谷が広がっている。
奥深い山の中で、満々と水をたたえる串原。そのシンボルとなっている「奥矢作湖」は、矢作ダムによって出来た人造湖である。大自然の中のリゾートエリアとして親しまれ、桜や藤、紅葉など四季を通じて見どころも多い。

そんな串原には、点在する七つの滝があり、滝マニアのみならず全国から観光客が訪れる。
特に、秋の紅葉と滝の景色は美しく、人気の撮影スポットになっている。

滝めぐりおすすめコースが4コースあり、時間や体力に合わせて選ぶことができて安心だ。七つの滝全部をめぐるコース、豊田方面からお手軽コース三つの滝や、明智方面からお手軽コース三つの滝、一番オススメの滝「来若の滝」をめぐるコースが用意されている。

それぞれの良さがある

七つの滝は、従来から名前のある城山、お軽、南山、魚留の4つの滝に加え、公募により新たに3つの滝が命名された。全国公募を行い、応募作品8,465点の中から「甘恋の滝(あまごいのたき)」、「幸呼の滝(さちこのたき)」、「来若の滝(くじゃくのたき)」に決まった。

七つの滝の1番目が、「来若(くじゃく)の滝」で落差は30m。若い人が集まるようにとの願いを込めて、来若の滝だが、水の流れが孔雀の羽を広げたような優雅な流れをしており、実に上手い命名だ。
2番目は、「城山(しろやま)の滝」で落差は12m。近くの山頂に、城が築かれていたためこの名称になったそうだ。落差は無いが、滝前に岩壁がそそり立ち1本の力強い流れが魅力的な滝だ。
3番目は、「お軽(おかる)の滝」で、落差は15m。天保の頃、大干ばつに苦しむ村人をみかねた「お軽」という美しい娘が滝不動に願をかけ、大雨を降らせ村を救ったという伝説が残る滝だ。
4番目は、「幸呼(さちこ)の滝」で、落差は8m。お軽の滝のすぐ下にある滝で、幸せを呼ぶようにとの思いから命名された。2つの滝が連なって流れる様子は、迫力満点だ。
5番目は、「南山(なんざん)の滝」で、落差は10m。お軽の滝の下流にかかる滝で、昔この辺りを通るのは難所だったことから「難山の滝」と伝わっている地区もあるそうだ。
6番目は、「甘恋(あまごい)の滝」で、落差は40m。大雨が降った時にしか見ることができない貴重な滝。雨乞いをしないと見えないことから、甘恋にかけて命名された。幻の滝だけに、もし見ることができたら余程の幸運の持ち主だろう。
最後の7番目の滝、「魚留(うおどめ)の滝」は、落差は8m。滝上奥の密集した樹木が、繊細な流れを引きたてて美しい。魚が上ってこられないことから、この名称がついたそうだ。

美しい秘境の滝をいつまでも

滝の音と、鳥のさえずりだけが聞こえる滝めぐり。ふと・・・足元に目をやると、山野草がたくましく咲き、苔むした緑が色鮮やかなことに気づく。そして、たまにカモシカに出会うこともあるそうだ。

豊富な水資源に恵まれた日本には、全国各地に大きなものから、小さなものまで約3,000以上の滝が存在しているといわれている。
串原の七つの滝は、決して豪快な滝ではないが、秘境ならではの感動を味わうことができる。
いつまでも、この大自然と滝の流れが途絶えることがないよう願うばかりだ。

INFORMATION

名称
串原七つの滝
場所
岐阜県恵那市 串原
お問合せ先
0573-52-2111(串原振興事務所)

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