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STORY 恵南地方にまつわる50の物語

串原村 中山神社大祭と中山太鼓

打ち鳴らせ!里山の神社に響き渡る太鼓の音

お犬さまと伝統芸能中山太鼓

太鼓とお囃子の音色に誘われて・・・鳥居をくぐると、そこはまるで別世界!
人々の熱気と興奮に包まれた回り打ちは、全ての邪気を吹き飛ばす迫力だ。
忘れかけた内なるパワーを、この祭りで思い出すかもしれない。

中山神社の由来とお犬さま

串原全郷の総氏神としての中山神社は、村のほぼ中央の山上(字中山)に鎮座している。伝説によると、この中山神社は大和吉野郡金峯神社の分社で、串原城主遠山氏の祈願所であった。しかし、天正2年(1574)武田勝頼により串原遠山氏が滅亡し、それ以来串原村民の手で、その祭祀を続けてきたといわれている。
主祭神は、広国押武金日命(ヒロクニオシタケカナヒノミコト)で、串原に住む人々にとって、永い間その精神的中心であったと考えられている。

本殿の左右に2体の狛犬の像が置かれている。1体は狐のように耳が立っており、もう1体は耳が垂れている。
社伝では、金峯山明神が犬の背に乗って中山にやって来たとされている。中山神社では、山犬を御神使としており、土焼き製の山犬像を「お犬さま」と称し、難病、盗難、その他の災厄の防護神として祀られている。神殿の軒には狐、狸などの憑きものにも効果があるとされ、お犬さまが並べられている。それぞれのユニークな表情に、思わず見入ってしまう。
矢作水系流域の人々は、この陶製狛犬を屋敷の一隅に祀る風習を、今日も受け継いでいて、柱頭に作りつけた小さな祠の様な物に安置するのが一般的だ。そして、10月に行われる中山神社祭礼時に社頭に持参し、ご祈祷をうけて持ち帰る。

伝統芸能「中山太鼓」

中山神社大祭は、毎年10月の第3日曜日に行われている。岐阜県重要無形文化財に指定されている、串原地区に古くから伝わる伝統芸能の「中山太鼓」が奉納される、由緒ある祭りだ。
大祭前日の神楽は6つの打ち囃子組に分かれ、、各地区毎の祭元に集まり太鼓の飾り付けをし準備を行う。大祭では、馬を迎え、その馬を花で飾る。その後区長を先頭に馬印、花馬、打ち囃子、と並んで太鼓を打ち鳴らしながら太鼓を担いで宮入りを行う。
地域内6つの打ち囃子組は、宮入りを済ませると各組参拝を行う。その後持ち曲を競い合うように打ち鳴らす。その様子は、大変勇ましい。

中でも、神囃子(しんばやし)(通称・回り打ち)という曲は、各組共通の曲で、祭りが盛り上がった時打ち鳴らされ、打ち手が踊りながら太鼓を代わる代わる打つ様子は、大変珍しい。この「回り打ち」は、大祭の参加者が誰でも、何人でも参加でき、祭りのボルテージは一気に上がる。
当日は、当地域の中山太鼓保存会が、太鼓を通じて交流のある団体が、全国各地から100名程参加し大祭を一緒に盛り上げてくれるそうだ。
午前8時30分の寄せ太鼓から始まり、正午の大祭神事の時以外は、午後3時頃まで太鼓の音が響き渡る。

巨木に護られて

中山太鼓の起源は、戦国時代まで遡るといわれている。甲斐の武田勝頼がこの地に侵攻した際、迎え討った串原勢の武士たちが士気を鼓舞し、武運を祈願したと伝わる勇壮な太鼓なのだ。大太鼓を、こぶしで太鼓が破れるまで打ち続けたと伝えられている。現在では、五穀豊穣と無病息災を祈願し打ち鳴らされている。
 
中山神社境内には、天然記念物に指定されている樹木が自生している。スギやヒノキ、モミの木など、いずれも300年以上の樹齢を保っている。その他にも、トチノキ、イチョウ、モミジやアカマツなど群生する自然生態として、貴重な存在だ。

そんな巨木に見守られながら、今年も中山神社大祭がにぎやかに行われた。地元の人々、中山太鼓保存会の人達、皆の気持ちが一つとなり、伝統は守られ受け継がれていく。
遠方から観光で訪れる人達も、その輪の中に入り元気をもらって帰路に着くのだ。
里山の、素朴でパワーあふれる祭りを、いつまでも残していきたい。

INFORMATION

名称
中山神社大祭
場所
岐阜県恵那市 串原3913(中山神社)
お問合せ先
0573-52-2111(串原振興事務所)

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