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STORY 恵南地方にまつわる50の物語

串原村 串原ひなまつり

天空のオアシスで土びなに出会う

串原の土びな展とささゆりの湯

ひとつひとつ、人の手で作られた土びなには、
作り手の思いと子供の成長を願う家族の思いが込められている。
昔の人が大切にしてきた、素朴な味わいが魅力の土びなは、不思議な暖かみにあふれ心が癒される。
そんな時間を、大切にしていきたい。

おひなさんめぐり

3月になると、恵南地区は春の訪れと共に、町が華やいだ雰囲気に包まれる。
各所でひな人形の展示やイベントが開催され、県内外からたくさんの人が訪れる。串原・上矢作・岩村・山岡・明智の五ヶ所で、開催時期を合わせ周遊的に展示を楽しんでもらえるように、工夫を凝らしている。
ひな飾りの総展示数は、約5660体に上り、古くから地域に根付いてきた土びなを中心に、つるしびなや御殿びななど、多種多様なひな飾りを堪能できる。
展示されているひな人形は、以前は地域の家庭で飾られていたものだ。しかし、近年の住宅事情などから飾ることができなくなったひな人形を集め、地域ごとに展示するようになった。そして、恵南商工会が中心になり5地域が連携して、「恵那のおひなさんめぐり」を実施している。

串原で行われるひなまつりは、「串原のおひなさん」と呼ばれ、地域の人達や遠方から訪れた人でにぎわう。会場は「くしはら温泉ささゆりの湯」の館内で開催される。地元の住民から寄せられた、昔懐かしい土びなを中心に約100体が展示され、様々な表情の土びなに、時を忘れて見入ってしまう。

土びなの由来

素朴な味わいのある土びなと呼ばれる土人形。その土地に暮らす人々の信仰や風習と深く結びついている。江戸時代後期には、全国に150ヶ所もの産地があったそうだ。なかでも、京都の伏見稲荷大社参詣のお土産として作られてきた伏見人形は日本最古で、日本各地の土人形の原型ともいわれている。やがて全国各地に広まり、その地域独特の土人形が作られていった。
ところで、土人形はどのように作られるのだろうか?
まず夏の畑の粘土を取ってひと冬寝かせる。そして、翌年の夏にその粘土を練り型に詰める。その後天日に干して乾燥させ、風のない時に素焼きをし、一晩置いて窯から出してようやく型が完成する。その後の色付けも時間と根気のいる作業だ。一色ずつ色付けし、それが乾いてから別の色を塗っていく。鮮やかな色の人形が完成した時には、苦労よりも喜びの方が大きいと作り手の方はにっこり笑う。

恵南地区では、山岡町は良質な陶土が採れるということで、陶土産業が栄えた。そのため隣接する地域では、土びな作りが盛んだった。お節句近くになると、小里川沿いに天秤棒を担いで、土びな売りが行商に来ていたそうだ。歌舞伎の土人形や、武者人形など地域の特色が土びなの姿にも出ていて、大変興味深い。

ひな祭りと温泉

会場の「くしはら温泉ささゆりの湯」は、天空のオアシスと呼ばれており、星空が大変美しい。標高464mの山頂にあり、開放的な展望露天風呂からの眺めは最高だ。四季折々に移り変わる山峡の景色を眺めながら、ゆったりくつろぎのひと時を過ごせる。
串原の名物、へぼ(クロスズメバチ)の幼虫の佃煮やへぼ五平餅など、ここでしか味わえない料理にも出会える。
串原の名物といえば、布ぞうりも有名だ。平成22年度の「岐阜の宝ものじまんの原石」に選定された。カラフルで可愛らしい布ぞうりのファンは多く、体験教室も開催されている。
ささゆりの湯の前には、オートキャンプ場があり、近年のキャンプブームで温泉とセットで楽しむ人達が多く、キャンプ場はテントと子供たちの笑い声でにぎやかだ。

土びな展と温泉、オートキャンプが楽しめるのは、恵南地区ではここ串原のみである。昔懐かしい土びなに触れ、温泉でほっこり和み、癒しのひと時を味わうのもいいだろう。これからも貴重なひな祭りを、恵南地域全体で大切に守ってほしいと願う。

INFORMATION

名称
串原のひなまつり
場所
岐阜県恵那市 串原3135-2(会場:くしはら温泉ささゆりの湯)
お問合せ先
0573-52-2111(串原振興事務所内 恵那市観光協会 串原支部)

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