無形遺産
中山神社は総氏神として串原の中央の山に鎮座する神社。社伝によれば、大和国吉野郡の金峯神社から勤請したという。神殿の軒には狐、狸などのつきものに効果があるといわれているお犬様が並べられ、ユニークな表情を見せている。
10月第3日曜日に大祭が開催され、中山太鼓が奉納される。中山太鼓はスリコギ状のバチで大太鼓を、矢に似せた竹製のバチで締太鼓を打つ勇壮な太鼓であり、大勢の人々が回りながら叩くという独特のもので、叩き方さえ判れば誰でも参加でき、現在は全国から太鼓をたたきに多くの人がやってくる。
その由来は、天正2年(1574)、武田勝頼の美濃侵攻に際して迎え討った織田信長軍の将、串原弥左衛門配下の武士達が中山神社社頭にて大太鼓を拳で打ち鳴らし、締太鼓を焼き清めた矢で折れ尽きるまで打ち鳴らして武運を祈願したという故事による。太鼓を叩くスリコギ状のバチは、武士たちの拳を模したものといわれる。