織田信長の叔母が実質的な城主を務め、織田と武田の勢力争いのなか政略結婚の道を選ぶなどして領民を守ったとされる「女城主伝説」が残る岩村町。岩村町は、女性的な優しさと柔らかさを
取り入れようと「女城主の里」を名乗っています。
1.7㎞にも及ぶ壮大な石垣が往時の隆盛を伝え、霧が発生しやすく別名を「霧ヶ城」と呼ばれています。
その女城主が治めた岩村城跡のほか、商家の町並みとして国の重要伝統的建造物群保存地区に
選定されている城下町は、江戸・明治・大正・昭和初期の家々が軒を連ね、往時の面影を偲ばせています。
なかでも西町商店街は、平成30年前期のNHK連続テレビ小説「半分、青い。」の「ふくろう商店街」のロケ地として一躍有名になりました。
岩村城は、江戸諸藩の府城の中でも最も高い所(標高717m)に築かれ、高低差180mの天嶮の地形を巧みに利用した要害堅固な山城で、霧の湧き易い気象までも城造りに活かされており、別名「霧ケ城」ともよばれています。
この城が名城と言われる由縁は、単にその規模と大きさだけでなく、その永い歴史に由来しています。1185年(文治元年)源頼朝の重臣「加藤景廉(かとうかげかど)」がこの地の地頭に補せられ創築されてから、鎌倉・室町の300年間、戦国の100年間、更に江戸期の300年間にわたり城と城主が連綿と続き、明治の廃城令で廃城されるまで、連綿と存続しました。700年間に及ぶ城の歴史は、日本の城史にも例を見ないものです。
岩村町本通りは、平成10年4月に商家の町並みとして、岐阜県で3番目、全国では48番目に国(文化庁)の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
岩村は江戸時代に東濃地方の政治・経済・文化の中心として栄えた城下町で、保存地区は城下町の町家地区として形成された町の形態と近代の発展課程を伝える町家群が周辺の環境と一体となった東濃地方の商家町として、特色ある歴史的景観を良好に伝えています。
現在も、保存地区内では地元の商店街として商いが営まれており、人の息遣いが感じられる生活感のある町並みが来訪者を穏やかな空気で包んでくれます。保存地区内には、木村邸・土佐屋・勝川家・柴田家・上町まちなか交流館といった旧家が一般公開(一部施設は有料)されており、当時の面影に触れることができます。平成30年前期NHK連続テレビ小説「半分、青い。」のロケ地。